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Mad_Press

本ブログはアングラサイエンスをテーマに、日本のマスコミではなかなか報じられない薬物関連を主とした最新の研究成果やニュース、その他geekな記事等を紹介しています。これは飽くまで読者の知的好奇心の充足や、公共の利益となる知識の共有を意図してのことであり、 断じて薬物製造、乱用を含む如何なる犯罪もこれを奨励するものではありません
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アブサン酒の神経毒α-ツヨンはGABA-A受容体に作用 | main | 大麻とMDMAの組み合わせで作業記憶により大きな障害
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アブサン中毒の原因物質はツヨンではない?
Thujone—Cause of absinthism?
「ツヨンはアブサン中毒の原因?」

Forensic Sci Int (13 May 2005)
doi:10.1016/j.forsciint.2005.04.010

2005年5月発表の論文。
アブサン酒による精神障害の原因物質としてツヨンが疑われてきましたが、この論文では、本当にツヨンがその原因物質なのかを検証しています。
結論としては、ツヨンはアブサン酒による精神障害とはあまり関係がないと推測されるとしています。

以下は要旨の拙訳です。

要旨
19、20世紀には、ニガヨモギの蒸留酒であるアブサン酒の常習的な乱用は、幻覚や不眠、痙攣といった症状を含む精神障害”アブサン中毒”の原因とされた。ニガヨモギ―Artemisia absinthium L.の精油の特徴的な成分であるツヨンがアブサン中毒の原因なのか、それとも単に慢性アルコール中毒なのか、はたまた食品不純物といった他の理由によるものかということが論争になってきた。
ツヨンがアブサン中毒を起こしうるのかどうかを確かめるため、19世紀の歴史的な製法に従ってアブサン酒を製造した。
自家栽培のものと共に、2つのメーカーの市販のニガヨモギを用いて、6kg/100lの濃度の蒸留酒を製造した。これに加えてタラゴナ産の正真正銘の年代物のペルノー・アブサン(1930年)と、スイス、トラヴェール谷の伝統ある小さな醸造所の2種のアブサン酒を評価した。α-ツヨンとβ-ツヨンを分析するため、シクロデカノンを内標準としてGC-MS(ガスクロマトグロフ質量分析)を行った。この方法はLOD(検出限界)0.08mg/lの感度を示した。
精度は1.6%から2.3%で、0.1mg/lから40mg/lに渡って線形性が得られた。(r=1.000)
最近、アブサン酒が解禁されただけあり、ツヨンの濃度は、歴史的な製法に従って製造したアブサン酒も含めて、分析した製品は全て、最大許容値である35mg/l以下の濃度を示した。歴史的な製法に従って製造したアブサン酒は、検出可能な量のツヨンを含んでいないか、比較的低い濃度しか含んでいなかった。(平均1.3±1.6mg/l、分布範囲0-4,3mg/l)興味深いことに、年代物のアブサン酒もまた、1.8mg/lという比較的低いツヨン濃度を示した。トラヴェール谷のアブサン酒は9.4mg/lと1.7mg/lの濃度のツヨンを含んでいた。
結論として我々の研究では、19世紀に報告された260mg/lものツヨン濃度は確証することができない。歴史的な製品のツヨン濃度もまた、今日の、幻覚などの効果を引き起こさない最大許容範囲内であることから、これらのツヨン濃度では年代物のアブサン酒が幻覚を引き起こす可能性はかなり低いと評価される。おそらくツヨンは、アブサン中毒の臨床像において何の役割も担ってないか、またはわずかな役割しか担っていないと思われる。
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