アングラサイエンス系ニュース、記事、論文の紹介

Mad_Press

本ブログはアングラサイエンスをテーマに、日本のマスコミではなかなか報じられない薬物関連を主とした最新の研究成果やニュース、その他geekな記事等を紹介しています。これは飽くまで読者の知的好奇心の充足や、公共の利益となる知識の共有を意図してのことであり、 断じて薬物製造、乱用を含む如何なる犯罪もこれを奨励するものではありません
本ブログから得られた知識により読者が如何なる被害を被ろうとも、当方は一切の責任を負いません。
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| 未分類 | 01:54 | トラックバック:0コメント:0
悪臭の化学
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26日、ロシアのサンクトペテルブルク市内のホームセンターで悪臭のするガスが発生し、66人が一時的に入院した。店内からは、ガラス瓶につながれたタイマーの入った箱が見つかり、他の3つのチェーン店でも同じものが発見された。サンクトベテルブルク警察のスポークスマンによると、ガスの正体はメタンチオール(メチルメルカプタン)と見られるという。
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メタンチオールは化学式CH3SH、沸点5.96度、常温で無色の可燃性気体で、腐ったキャベツ様の臭いをもつ。メタンチオールはメチル基(-CH3)とチオール基(-SH)が結合した形をしている。このようにチオール基を含む有機化合物はチオール(またはメルカプタン)、と呼ばれるが、一般にチオールには悪臭(強い刺激臭)のものが多く、低濃度では都市ガスの臭いがする。これは、都市ガスにt-ブチルチオール(t-ブチルメルカプタン)等のチオールが臭い付けのために混ぜられているためである。チオールの例としてはブチル基(CH3-CH2-CH2-CH2-)とチオール基を結合した形のブタンチオールや、エチル基(CH3-CH2-)とチオール基を結合した形のエタンチオールがある。ブタンチオールはスカンクの出す分泌液の主成分であり、エタンチオールはギネスブックで、最も臭い化学物質に選ばれている。
dmds-b.gif
また、チオールに限らず、一般に硫黄を含む化合物にも悪臭を持つものが多い。例えば、腐った卵や温泉の臭いで有名な硫化水素(H2S)や、メタンチオールに含まれるチオール基の水素をメチル基で置き換えた形の硫化ジメチル(コーヒーや磯の香りの成分)、さらに硫化ジメチルの硫黄を2つに増やした二硫化ジメチル(DMDS)である。
dmds-b.gif
硫黄と同じ16族元素のセレンとテルルは硫黄と性質がよく似ており、セレンやテルルの化合物にも悪臭を持つものが多い。悪臭を持つ硫黄化合物の硫黄をセレンやテルルで置き換えることで得られる化合物(例えば硫化水素に対する硫化セレンH2Se、硫化テルルH2Te)は、元の硫黄化合物よりも臭いがきつくなる傾向にあるようである。英の化学者オリヴァー・サックスは、彼の子供時代をつづった著書「タングステンおじさん」で、硫化セレンは硫化水素より100倍も臭かったと語っている。おもしろいので少し長いが引用しよう。


硫化水素は、デイブおじさんの実験室で少し臭いを嗅いだことがあった。腐った卵やおならの臭いがして、おじは火山の臭いだとも教えてくれた。作り方は簡単で、硫化鉄に希塩酸を注ぐだけでよかった。私は自分でもやってみた(硫化鉄の大きな塊も自分で作った。鉄と硫黄を一緒に加熱すると、やがて発熱して化合するのだ)塩酸を注ぐと、硫化鉄からあぶくが出始め、すぐに悪臭を放つ窒息性の硫化水素が大量に発生した。私は急いでドアを開けて庭へ逃げ出した。ふらふらしてひどく気分が悪くなったので、このガスがどれほど毒なのかを身をもって知った。その間も悪魔の硫化物は(私はたくさん作ってしまっていた)毒ガスをもくもく出し続け、すぐに家中に広がってしまった。
私の実験に驚くほど寛容だった父と母も、ここへきてさすがに換気フード付の実験装置を設置させ、実験に使う試薬の量はもっと控えめにしなさいと言った。
その後、身も心も立ち直り、換気フード付の実験装置が設置されると、私は硫黄以外の元素と水素を化合して、別のガスを作ってみることにした。セレンとテルルも硫黄と同じ化学的なグループに属した非常に近い仲間だと知っていた私は、基本的に同じ製法を使用した。セレンやテルルを鉄と化合させ、できたセレン化鉄やテルル化鉄に酸を加えたのだ。硫化水素の臭いがひどいとしたら、セレン化水素のそれはその100倍もひどかった。筆舌に尽くしがたいほどひどい悪臭で、むせかえって涙が出て、腐った大根やキャベツを思わせた。セレン化水素は世界で最悪の臭いかもしれない、と私は思った。しかしテルル化水素もそれに近く、やはりとんでもない臭いだった。


References:
"ペテルブルクの商店で正体不明のガス 66人が入院"(asahi.com)
"Business dispute suspected in Russia gas attack"(TORONT STAR)


「タングステンおじさん」オリヴァー・サックス著 早川書房
「化学物質ウラの裏」John Emsley著 丸善
「臭い化合物の話」http://www1.accsnet.ne.jp/~kentaro/yuuki/smell/smell.html
| 未分類 | 21:02 | トラックバック:0コメント:0
大人でも脳細胞は成長する
"MIT researcher finds neuron growth in adult brain"(BrightSurf.com)

脳の劣化が著しい自分としてはかなりうれしいニュース

一部訳

一般に大人の脳細胞は成長しないと思われているが、MITピカワー学習記憶研究所の研究者は
専門誌Public Library of Science (PLoS) Biologyの12月27日号で、実際には成熟した脳において
神経細胞の構造的再構築が起こっていると報告している。

この発見は、いつの日か新しい細胞を成長させ、病気や骨髄損傷-今は亡きクリストファー・リーブ
を活動不能にしたようなもの-によって傷ついた細胞と取り替えることが可能であることを意味している。
(略)
「変化の規模は発達の臨界期間の間よりもかなり小さいが、変化が起こっているという事実は驚くべきことだ」
(略)
「さらに、この成長は脳の使用と関係しており、そのため大人においても、頭は使えば使うほど強固なものとなりえる」
| その他 | 02:11 | トラックバック:0コメント:0
ロケットマン
http://www.rocketman.org/video/Inside_Edition.WMV
http://www.rocketman.org/videogallery.html
欲しい。。。

(Via digg)
| その他 | 22:53 | トラックバック:0コメント:0
メールの盗み見を確かめる方法
米のNSA(国家安全保障局)による自国民の監視が明らかとなった。
computerbytesman.comのRichard M. Smithは、NSAによってメールを盗み見されていないか確かめる方法として次のようなアクセスログを利用する方法を提案している。(リンク)
最後で述べられているように、このアクセスログを利用する方法はNSA以外による盗み見にも使える。

拙訳

9/11からNSAがアメリカ人の電話やメールを監視していたというニュースに関する論議を受けて、自分は覗かれていないだろうかと思っている人もいるだろう。以下は、誰かにメールを読まれていないかどうかを確かめる、速くて簡単な方法である。

手順
1.ホートメールでメールアカウントを取得する
2.US外のプロバイダで2つ目のメールアカウントを取得する
3.NSAの興味を引きそうな内容のメールをこの2つのアカウントの間で送る
4.それぞれのメールには、自分がアクセスログを見ることができるサーバーのURLを書いておく。
このURLは自分だけが知っていて、どこのページからもリンクされていないものでなければならない。
また、メールの内容は、NSAの監視担当者(監視装置)がこのURLのページを見るように仕向けるものでなければならない。
5.もしサーバーのアクセスログにアクセスされた記録があれば、メールが盗み見されているのが分かる。アクセスログに記録されたIPから、誰が盗み見しているかも分かる。

ポイントは、誰か、あるは何かがそれをクリックしたくなるように、リンクを十分に気を引くものにすることだ。大規模な研究プロジェクトの一環として、うまくいく手を見つけるために、私はさまざまな手をつかった数十万のメールを送ることを提案したいと思う。考えられる手としては次のようなものがある。
・テロリスト関係の様々なトリガーワードを入れる
・すでに知られているアルカイダの掲示板へのリンクを文中に入れる
・アタ・モハメッドの昔のメールアドレス(el-amir@tu-harburg.de)へのCC:を入れる
・イラクやアフガニスタン等のSMTPサーバからメールを送る
・送り主のメールアドレスに既知のテロ組織のメールアドレスを使う
・ziplipやhashmailのアカウントを使う

NSAの監視の他、あなたがメールアカウントのパスワードが盗まれていると疑っていたり、または家族や同僚があなたのパソコンのメールをこっそり見ている場合にもこのテクニックが使える。


(Via Schneier on Security)
| クラック | 13:53 | トラックバック:0コメント:0
鳥えさ用大麻種子に関する国会答弁
昭和48年の衆議院外務委員会において行われた、鳥えさ用の大麻種子に関する答弁


衆議院外務委員会
昭和48年07月20日

堂森芳夫 理事
(略)そこで、大麻の事犯がふえつつあるときに、先般の新聞報道で、小鳥のえさとして市販されておる大麻の種子に発芽能力があることが九州大学の薬学部の西岡教授の実験でわかったのだ、こう報告しておる。そうしますと、小鳥のえさが芽をふくわけで、幾らでも自家栽培でできるわけですね。そうすると、幾らこれで取り締まろうとしても、小烏のえさとして売り出されておる種が芽を出して、大麻がどんどんできていくということになるのではないかと思うのです。厚生省はこのことに対してどのような対策を立てておられるのでありますか、あるいは将来法律等をもって取り締まろうとされるのでありますか、お尋ねしたい。

松下廉蔵 厚生省薬務局長 
(略)小鳥のえさになります大麻の種そのものは、御案内のように大麻の有害成分は含んでおりませんので、大麻取締法による規制の対象ではございませんけれども、この種子が大麻に成長するというようなことになりますと、これは好ましくないということで、輸入貿易管理令によりましてこれを規制をいたしておりまして、輸入いたします際に、発芽不能の処理と熱処理をしないと通関させないという処置をとっておるわけでございます。
いま御指摘のように、最近輸入いたしました大麻種子の中で、発芽するものがあったということが報道されております。こういうことになりますと、野生大麻とともに、あるいはそれ以上に大麻乱用を助長するというおそれがございますので、当分の間抜き取り試験を行ないまして、発芽不能であることが明らかになったものだけを通関を認めるというようなことにいたしますとともに(略)


Source:
国会会議録検索システム
| ドラッグ | 01:53 | トラックバック:0コメント:0
英の新国民監視システム
"Britain will be first country to monitor every car journey"(THE INDEPENDENT)

冒頭拙訳

イギリスは道路を走る全ての車両の移動を記録する最初の国となる。
新しい国民監視システムは、この記録を少なくとも2年間保持すると見られる。

この計画は、通過する全ての車両のナンバープレートを自動で読み取ることのできるカメラ網を用いて、警察や安全保障機関が、ドライバーの数年間にわたる全ての移動を分析できるように、車両移動記録の巨大なデータベースを構築するものだ。

日本には10年以上前からNシステムがありますけどね。
最近は運転手と同乗者の顔写真まで撮るようになってるようで。。。


(Via Schneier on Security)
| その他 | 16:26 | トラックバック:0コメント:0
放射性元素コバルト60の回収劇
今年10月、米国防総省のホワイトサンズミサイル射撃場において、放射線源であるコバルト60が、貯蔵所と放射線実験施設を結ぶ圧空配送菅(昔の書類配送システムのようなもの)の途中で止まってしまい、回収不能になる事故がおきていたことが分かった。

コバルト60は食卓塩の小瓶くらいの大きさの筒に入れられていた。その量はわずか30秒で近くの人間を死に至らしめるほどの量であり、放射線防護服を着ても近くに近づくことはできなかった。
当初、配送菅の圧力を上げることで筒を押し出すことが試みられたが失敗に終わった。

そこで、サンディア国立研究所から爆弾処理用のロボットが用意された。この遠隔操作ロボットには、ロボットアームの他、ドライバやドリルが装備されており、筒の回収に最適に思われた。
しかし1つ問題があった。ロボットがコバルト60から放たれる強い放射線に長時間曝されれば、ロボットの電子回路が破壊されてしまう。暴露時間は50分が限界と推測された。このため、回収作業は時間との戦いとなった。

配送菅内でシーソー型の分配器が異常な方向を向いており、これにコバルト60の入った筒が引っかかっていた。ロボットに取り付けられたドリルを用いて配送菅に穴を開け、この分配器を正常な位置に戻すことが試みられたが、失敗に終わった。
次に、分配器の蝶つがいの部分に穴を開けることが試みられたが、筒を押し出すために用いられた高圧のため分配器が変形してしまっており、これも失敗に終わった。

この時点でロボットの暴露時間は90分に及んでいた。
彼らはロボットを一旦回収しようとしたが、すでにロボットの電子回路が放射線のため壊れてしまっており、遠隔操作による回収が不能となった。そこでロープをロボットに引っ掛けて引っ張ることでロボットは回収された。

修理の後、再度ロボットが送り込まれた。
今度は、ロボットのドライバーを用いて配送菅のパネルを取り外し、筒を回収することが試みられた。
しかし、ロボットのドライバーをパネルのネジにうまくはめる為に取り付けられたプラスチップ性の部品が放射線のために溶けてしまい、またもや失敗に終わった。
金属性のドライバーに取替えた後、再度ロボットが投入され、ようやくパネルを取り外し筒を回収することができた。

放射線のため作業員は頭痛を抱え、指の爪はぼろぼろになってしまったという。

(Via GeekPress)

News Source:
"Robotic heroics at radiation lab"(news@nature.com)
| その他 | 05:23 | トラックバック:0コメント:0
炭素病ワクチンをつくり出すタバコ
炭素病は、グラム陽性桿菌の炭素菌(Bacillus anthracis)により引き起こされる細菌性の致死性感染症で、動物から人に感染する。米CDC(疾病管理予防センター)はその高い致死率や生物兵器に用いられる可能性から、炭素菌を疾病・バイオテロ要因リストにおいて、最優先で予防・対策に取り組むべきものであることを意味するカテゴリーAに分類している。ちなみにカテゴリーAには他に、ボツリヌス菌、ペスト、天然痘、野兎病、ウイルス性出血熱(エボラ出血熱など)が分類されている。

現在、炭素病のワクチンは炭素菌の培養上清からつくられている。しかしこうしてつくられるワクチンには、感染防御抗体(PA)や微量の致死因子、浮腫因子が毒素として含まれ、これが望ましくない副作用をもたらしうるという問題がある。

セントラルフロリダ大のVijay Koyaらは、遺伝子操作により、これらの毒素を含まない炭素病のワクチンをつくりだすタバコ(ナス科ニコチアナ属)を作ることに成功した。(ただし、このワクチンはまだ人では試されておらず、その有効性はマウスでのみ確認されている。)行われた遺伝子操作は、タバコの葉緑体のゲノムにワクチンの遺伝子を入れるというものである。タバコを選んだ理由は、それが多産で多年生植物であるからだという。
このタバコにより、毒素を含まないワクチンを安価で大量に生産することが可能となる。
彼らは炭素病のワクチンの他、1型糖尿病やC型肝炎、ペスト、コレラの治療薬をつくりだすタバコの研究に取り掛かっているという。

(Via GeekPress)

Reference:
ニュース記事
"New use for tobacco could save lives: researcher"(Yahoo!NEWS)


CDC:"Bioterrorism Agents/Diseases"

元論文
"Plant-Based Vaccine: Mice Immunized with Chloroplast-Derived Anthrax Protective Antigen Survive Anthrax LethalToxin Challenge"
Vijay Koya, Mahtab Moayeri, Stephen H. Leppla, and Henry Daniell
Infection and Immunity, December 2005, p. 8266-8274, Vol. 73, No. 12
| その他 | 03:03 | トラックバック:0コメント:0
2つの口を持つ魚が見つかる
"Double-Mouthed Fish Pulled From Neb. Lake"
(Yahoo!NEWS 画像あり)

米ネブラスカ州のホームズ湖で、口が二つある魚が釣り上げられた。
片方の口は機能しないようだったという。

(Via BoingBoing)
| その他 | 23:57 | トラックバック:0コメント:0
オリエンタルポピーに含まれる麻薬=テバイン
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本記事は飽くまで読者の知的好奇心を充足させることを意図したものであり、違法薬物の製造、乱用を奨励するものではありません。

オリエンタルポピーの乳液や抽出したテバインを摂取した場合、致死的な健康被害を被る可能性があります。

植物から麻薬であるテバインを抽出することは、麻薬及び向精神薬取締法の第20条(製造の禁止)及び第28条(所持の禁止)に抵触すると思われます。製造に関しては1年以上10年以下の懲役、所持に関しては7年以下の懲役に処される可能性があります。
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テバイン(thebaine)という物質をご存知だろうか?
テバインはいわゆるケシに含まれるモルフィンアルカロドの一つでモルヒネに類似した構造を持つ。この物質自体はモルヒネ様の作用はもたず、毒薬で有名なストリキニーネに類似した興奮、痙攣などの作用をもつ。摂取して気持ちよいものではないようだが、このテバインからは比較的容易にモルヒネ様の薬理活性をもつ物質を合成できる。おそらくこのために、テバインは麻薬及び向精神薬取締法により麻薬に指定されている。
テバインを多く含む植物にはケシ科ケシ属のケシ(Papaver somniferum)とハカマオニゲシ(Papaver bracteatum)があるが、前者はご存知のようにあへん法により「ケシ」として栽培が規制され、後者はモルヒネを含まないもののテバインを含むために麻薬及び向精神薬取締法により麻薬原料植物として栽培が規制されている。
ところが、含有量は少ないものの、テバインを含んでおり、かつ規制されておあらず、普通に花屋やホームセンターで売られている植物がある。ケシ、ハカマオニゲシと同じケシ科ケシ属に属するオリエンタルポピー(Papaver orientale)である。含有量は時期により大きく異なるようだが、成熟期ではケシ坊主から取れる乳液には0.3%程度のテバインが含まれるようである。他にオリエンタルポピーにはイソテバイン(isothebaine)などが含まれる。

thebaine-b.gifmorphine-b.gif

Reference:
"OXY" Otto Snow,Thoth Press
| 薬草 | 00:25 | トラックバック:0コメント:0
ドラッグの化学
______________________________________ 警告_______________________________________

本記事は飽くまで読者の知的好奇心を充足させることを意図したものであり、違法薬物の製造、乱用を奨励するものではありません。

覚せい剤、麻薬の製造は覚せい剤取締法の第30条の8(製造の禁止)、麻薬及び向精神薬取締法の第20条(製造の禁止)に抵触し、覚せい剤の場合1年以上の有期懲役(第41条。営利目的の場合、3年以上の懲役及び1千万円以下の罰金)、麻薬の場合1年以上10年以下の懲役(第65条。営利目的の場合1年以上の有期懲役)に処される可能性があります。(ヘロインの場合、非営利目的ならば1年以上の有期懲役、営利目的ならば無期若しくは3年以上の懲役)
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フェニルチルアミン(Phenylethylamine:PEA)は神経伝達物質または神経修飾物質の一つであると言われており、身近なものではチョコレート等に含まれている。この分子自体、弱いながらもアッパー系の薬理作用を持つが、フェニルエチルアミンを構成する原子の一部をメチル基などで置換したりすることにより、強い覚醒作用や幻覚作用を持つようになる。
例えば、強い覚醒作用をもつ、いわゆる覚せい剤のアンフェタミンとメタンフェタミンは、それぞれフェニルエチルアミンの構成原子(α-炭素、アミノ基の水素)を1つのメチル基と2つのメチル基で置換して得られる分子であり、また、'エクスタシー'の名で知られるMDMAはメタンフェタミンの構成原子をさらにメチレンジオキシ基で置換して得られる分子である。

一般に、アンフェタミン等のように、フェニルエチルアミンのα-炭素をメチル基で置換した分子は、強い覚醒作用や心臓血管への作用、食欲抑制作用をもつが、フェンテルミンのように2つ以上のメチル基で置換した場合は食欲抑制作用はそのままだが、覚醒作用と心臓血管への作用は弱まる。
また、p-クロロアンフェタミンやMDMAのように、フェニルエチルアミンのベンゼン環のパラ位を置換した場合、幻覚作用やセロトニン作動性が現れる。
これらのフェニルエチルアミン誘導体の鏡像異性体は一般に、MDMAやその一部の誘導体を除いて、l体よりもd体のほうが強い作用をもつ。(4倍~10倍)

amphetamines1s.gif

Reference:
Goldfrank's Toxicologic Emergencies
| ドラッグ | 04:49 | トラックバック:0コメント:0
α-ツヨン含有植物
α-ツヨン(α-thujone) 含有植物

Salvia officinalis L.    (シソ科サルビア属ヤクヨウサルビア、セージ)      葉200 - 10,172 ppm
Artemisia salsoloides WILLD.(キク科ヨモギ属)                    芽9,500 ppm
Artemisia absinthium L.   (キク科ヨモギ属ニガヨモギ、ワームウッド、アブサン)   葉1,750 ppm
Artemisia herba-alba ASSO. (キク科ヨモギ属ホワイトマグワート、デザートワームウッド)全草580 - 773 ppm
Cistus ladaniferus L.    (ハンニチバナ科ゴジアオイ属システ、ロックローズ)    葉8 - 560 ppm
Rosmarinus officinalis L.  (シソ科マンネンロウ属マンネンロウ、ローズマリー)    全草84 - 399 ppm
Satureja montana L.     (シソ科サツレヤ属ヤマキダチハッカ、ウィンターサボリー) 全草10 - 385 ppm
Micromeria croatica (Pers.) Schott.(シソ科ミクロメリア属エンペラーズミント)     葉45 ppm
Micromeria juliana (L.) Bentham. (シソ科ミクロメリア属エンペラーズミント)     葉40 ppm

Reference:
Dr. Duke's Phytochemical and Ethnobotanical Databases
| 薬草 | 23:06 | トラックバック:0コメント:0
L-DOPA含有植物
L-DOPA(ドーパミン前駆体、パーキンソン病薬)含有植物

Mucuna pruriens (L.) DC.  (ムクナ、ハッショウマメ)         種子(2,400 - 48,000ppm)
Musa x paradisiaca L.  (バショウ科バショウ属フイリバナナ)     実
Portulaca oleracea L.   (スベリヒユ科スベリヒユ属 スベリヒユ) 全草
Vicia faba L.      (マメ科ソラマメ属ソラマメ)        葉

Reference:
Dr. Duke's Phytochemical and Ethnobotanical Databases
| 薬草 | 03:45 | トラックバック:0コメント:0
MDMAによる一時的な記憶力の低下
オランダ、マーストリヒト大学のKuypersらは、20~39歳の18人の男女(全員MDMA服用の経験あり)に、
・MDMA 75mg
・メチルフェニデート(リタリン)20mg
・偽薬
のいずれかを与えた後(約一時間半後)、記憶力を試すテスト(画面に表示された単語をいくつ思い出せるかを試す)
を行った。
その結果、メチルフェニデートを与えられた被験者は、偽薬を与えられた被験者と同程度の成績であったが、
MDMAを与えられた被験者は、偽薬を与えられた被験者よりも有意に低い成績であった。
また、このテストを行った次の日に、同じテストを行ったところ、MDMAを与えられた被験者も、メチルフェニデートを
与えられた被験者と同じく、偽薬の被験者と同程度の成績であった。

この結果より、75mgの投与量においてMDMAは一時的な記憶力の低下をもたらすことがわかる。
また、メチルフェニデートの結果から、この記憶力の低下は、MDMAのドーパミン作動性ではなく、
セロトニン作動性に関係していると思われる。

References:
"Transient memory impairment after acute dose of 75mg 3.4-Methylene-dioxymethamphetamine"
Kim P. C. Kuypers, Jan G. Ramaekers, Journal of Psychopharmacology, Vol. 19, No. 6, 633-639 (2005)
| ドラッグ | 01:25 | トラックバック:0コメント:0
MDMAとメタンフェタミンのカクテルの危険性
MDMAとメタンフェタミンのカクテルは、相互作用により単独の場合よりも強い神経毒性を示すようだ。

シドニー大学のケリー・クレメンスらは、ラットに対して、一回の投与を
・MDMA単独 4mg/kg
・メタンフェタミン単独 4mg/kg
・MDMA 2mg/kg + メタンフェタミン 2mg/kg
の3パターンで、二時間の間隔をあけて毎日4回、10週間の投与を行った後、ラット脳内(前頭前野、線条体)のドーパミン濃度とセロトニン濃度を調べた。
その結果、MDMA、メタンフェタミン単独の場合よりもMDMA、メタンフェタミン同時投与の場合の方が、ドーパミンとセロトニンの濃度に、より大きな減少が見られた。

また、面白いことに、一日の4回の投与を
・最初の二回はMDMA 4mg/kg 、残りの二回はメタンフェタミン 4mg/kg(MDMA→メタンフェタミン)
・最初の二回はメタンフェタミン 4mg/kg 、残りの二回はMDMA 4mg/kg(メタンフェタミン→MDMA)
の2パターンで行ったところ、MDMA→メタンフェタミンの場合には、ドーパミン・セロトニン濃度が、同時投与の場合と同程度か、より大きな減少を示す傾向にあった一方で、メタンフェタミン→MDMAの場合は同時投与の場合より同程度か、より小さな減少を示す傾向にあった。

MDMAとのカクテルで相乗的な毒性を示すものとしては他に大麻、カフェインがある。

Reference:
"MDMA (‘Ecstasy’) and methamphetamine combined: Order of administration influences hyperthermic and long-term"
Kelly J. Clemens, Jennifer L. Cornish, Kong M. Li, Glenn E. Hunt, Neuropharmacology 49 (2005) 195-207

関連記事:
カフェイン併用がMDMAの神経毒症状を悪化
大麻とMDMAの組み合わせで作業記憶により大きな障害
| ドラッグ | 00:14 | トラックバック:0コメント:0
1リットルの無水アルコールを飲んだ男
大量の無水アルコールを飲んで死亡した珍しい症例。

建設現場に停められた車から45歳の男(身長174cm,体重58kg)が遺体で発見された。
助手席には700mlの黄色い液体(男の嘔吐物と思われる)の入った2Lのプロプロピレン性のカップ
がおかれ、また、床には「無水アルコール」と書かれた二本の空の500mlのビンが転がっていた。

検死の結果、主な死因は1Lの純粋アルコールを飲んだことによる急性アルコール中毒と判断された。
男のすい臓には、酷い浮腫と出血が見られた。男はアルコールを飲んだ1、2時間後に死亡したと見られる。

References:
"Case report:A fatal case of pure ethanol ingestion"
Yoko Hieda*, Haruo Takeshita, Junko Fujihara, Koji Takayama,Forensic Science International 149 (2005) 243–247
| 未分類 | 02:13 | トラックバック:0コメント:0
科学捜査の最先端~微かな電源ノイズから録音日時を特定できるか?
オーディオ好きにとって電源ノイズは邪魔者以外の何者でもない。
しかし、捜査機関にとっては重要な武器となりうる。

ご存知のように電力会社から供給される電力は50Hzや60Hzの交流であるが、この周波数は時間によらず完全に一定ではなく、常に微小な変動をしている。
MDなどのオーディオ機器の音声信号には、わずかながらこの50Hzや60Hzの周波数のノイズが混入してくるため、録音を行った場合、この周波数変動も一緒に記録されることになる。(変動が十分大きければ)
この周波数の変動のパターンが、十分長い時間の間繰り返すことがないとすれば、録音された信号に含まれる電源ノイズの周波数変動を調べることにより、信号が録音された日時を知ることができる可能性がある。
もちろんこの場合、録音日時を調べようとしている信号が録音された時間の周波数変動と時間の対応関係の情報が必要になる。

さて、この手法は本当に可能だろうか?以下の点が問題となる。

・周波数の変動のパターンは、十分長い時間の間繰り返すことがないか?
短い時間の間に同じパターンがでてくるようでは日時の推定は難しい。


・場所によって周波数変動が大きく異なることはないか?(もちろん同じ電力システム内で)
先ほども述べたように、ある録音信号に含まれる電源ノイズの周波数変動から録音日時を調べるためにはその信号が録音された時間の周波数変動と時間の対応関係の情報が必要になるが、いつ録音されたのか分からない録音信号の録音日時を調べるためには、絶えず周波数変動を時間情報とともに記録しておく必要がある。
この際、周波数変動が場所によらないならば、ある一ヶ所における周波数変動を記録しておけばよいが、場所によって大きく異なるならば、多くの箇所で記録を行うことが必要となる。
隣り合った家で周波数変動が異なるようなことがあれば、この手法は任意の場所で録音された録音信号に適用することは実際上不可能である。
しかし、ある程度場所によって異なれば、録音日時だけでなく、録音場所もある程度予測可能になって良いかもしれないが。


ポーランドの科学捜査研究所のMateusz Kajstura氏らは、ポーランドにおいてこの手法が実現可能かどうか実際に検証を行った。
周波数変動が場所によって異ならないか調べるため、ポーランドにおいて同じ電力システム内のさまざまな場所で周波数変動を記録した。
その結果、約100km離れた二箇所においても、ほとんど同じ変動を示すことが確認された。
また、15-20分程度の長い信号であれば、繰り返すことはないことが確認された。
さらに重要なことには、コンセントから電力を供給する録音機器に限らず、場合によってはバッテリー駆動の録音機器(ICレコーダー)においても電力の周波数変動が記録されることが確認された。これは電線から発せられる電磁波の影響と考えられる。
また、周波数変動から、加工された録音信号の加工位置を特定することができた。

Mateusz Kajstura氏らは、電源ノイズは非常に弱く、解析が難しいとしているが、この手法が実際の捜査等で用いられるようになる可能性は皆無ではなさそうである。

Reference:

"Application of the Electrical Network Frequency (ENF) Criterion : A case of a digital recording"
Mateusz Kajstura *, Agata Trawinska, Jacek Hebenstreit, Forensic Science International 155 (2005) 165–171
| その他 | 18:46 | トラックバック:0コメント:0
「適量のアルコールは健康にいい」はウソ?
適量のアルコールは心臓病の予防になると言われてきた。しかし、オークランド大学のRod Jackson氏らは、医学専門誌「The Lancet」の今週号に掲載された論文で、いかなる量においてもアルコールによる害は、心臓病の予防などのメリットよりも大きいとして警告している。

Source:
ニュースサイト
"Alcohol's health benefits doubted" (BBC NEWS)

元論文
"Alcohol and ischaemic heart disease: probably no free lunch"
Rod Jackson, Joanna Broad, Jennie Connor and Susan Wells, The Lancet 2005; 366:1911-1912
| ドラッグ | 23:58 | トラックバック:0コメント:0
大麻は車の死亡事故のリスクを約二倍にする
このほど新たな研究により、大麻の喫煙は、喫煙しない場合に比べて、自動車による死亡事故を起こす確率を約2倍にあげることがわかった。
この研究は、2001年から2003年にフランスで起きた10748件の死亡事故の内、運転者が大麻を喫煙していたケースの割合を調べることで行われた。
同時に、アルコールの摂取が自動車死亡事故の確率を上げる倍率も調べたところ、約9倍であった。

なお、これらの倍率は、死亡事故を起こした運転者の平均的な摂取量に対する値で、大麻の場合THCの血中濃度が1ml中数ng程度、アルコールの場合1g/1L程度である。

Source:
ニュースサイト
"Cannabis Almost Doubles Risk of Fatal Crashes" (newswise.com)
"Cannabis doubles the risk of fatal crashes" (NewScientist.com)

元論文
"Cannabis intoxication and based case-control study"(British Medical Journal)
| ドラッグ | 13:09 | トラックバック:0コメント:0
コーヒーで短期記憶力アップ
"Coffee's effects revealed in brain scans" (NewScientist.com)

あまり目新しい話ではないが、コーヒーを飲むと短期記憶・集中力が(一時的に)向上するという話。

■実験内容
約5時間何も食べず、また最低24時間、カフェインもニコチンも摂らなかった15人に被験者に対して一杯の濃いコーヒー(カフェイン100mg程度含む)か、カフェインを含まない飲み物のどちらかを飲ませた。
約20分後、記憶・集中力テストを行い、その間の脳の活性状態をfMRIで観察した。
数日後、この時コーヒーを飲んだ被験者にはノンカフェインの飲み物を、ノンカフェインを飲み物を飲んだ被験者にはコーヒーを与えて同じ実験を行った。

記憶・集中力テストは、被験者に高速で現れるアルファベットの列を見せたあと、一瞬だけアルファベット一文字を見せ、この一文字がアルファベットの列の最後から二番目の文字と同じかどうかを判断してもらうというもの。

■実験結果
すべての被験者で短期記憶を司る部分の活性が見られたが、特にコーヒーを飲んだグループは前部帯状回と呼ばれる前頭葉前部で著しい活性が見られたという。前部帯状回は注意、集中、計画などの能力に関係している。

カフェインは、アデノシン受容体に拮抗的に作用することで覚醒効果をもたらすと言われている。この実験結果はカフェインの作用で説明がつくと思われるが、コーヒーの他の成分が大きな効果を持ってるとしたらおもしろい。
| ドラッグ | 12:50 | トラックバック:0コメント:0
電話盗聴器の脆弱性
"Signaling Vulnerabilities in Wiretapping Systems"
Micah Sherr, Eric Cronin, Sandy Clark, and Matt Blaze
IEEE Security&Privacy Nov./Dec. 2005 issue

米の捜査機関の一部で使用されている旧型の電話盗聴システム(Loop-extender:物理的に回線に枝をつける方式)に存在する脆弱性についての記事。この脆弱性を利用することにより、盗聴から逃れたり、ダイヤル先の電話番号を偽装することが可能だそうだ。

盗聴回避の方法であるが、非通話時にはCトーンと呼ばれる信号が回線に流れており、Loop-extender型の盗聴システムの場合、この信号が流れている間は盗聴の記録が行なわれない。そのため、このCトーン信号を流すことで盗聴を回避することができるという。

次に電話番号偽装の方法であるが、DTMF方式の場合、異なる周波数の信号の組み合わせでダイヤル番号を中継局に通知する。
盗聴側は中継局とは別にこのDTMF信号を解読して相手先の電話番号を知るのだが、盗聴側の解読システムと中継局の解読システムは普通異なるため、周波数と番号の対応関係における閾値(500Hz未満なら0、以上なら1など)が微妙に違ってくる。
そのため、中継局と盗聴側のシステムで番号の解読結果が異なってくるような閾値付近の周波数を用いることで番号偽装が可能になるという。

(Via BoingBoing/The NewYork Times)
| クラック | 15:24 | トラックバック:0コメント:0
SYAW:選択的若者撃退兵器
"What's the Buzz? Rowdy Teenagers Don't Want to Hear It " (The NewYork Times)

人は年をとるほど高い音が聞こえ辛くなってくる。
このほどこれを利用して、若者だけを選択的に撃退する装置がイギリスで作られたそうだ。
この装置は、20歳未満の若者には聞こえて、大人にはほとんど聞こえないような高い周波数の
音を大音量(若者にとって)で発するというもの。
集団で万引きしにやってくる若者ギャング団なんかに使うそうだ。

他の感覚で同様のことができないか考えてみたが。。。
リモートで使えるのは嗅覚と視覚くらいだが、選択的な撃退に使えるほどの年齢依存性はないか。

(Via BoingBoing)
| その他 | 02:50 | トラックバック:0コメント:0
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