アングラサイエンス系ニュース、記事、論文の紹介

Mad_Press

本ブログはアングラサイエンスをテーマに、日本のマスコミではなかなか報じられない薬物関連を主とした最新の研究成果やニュース、その他geekな記事等を紹介しています。これは飽くまで読者の知的好奇心の充足や、公共の利益となる知識の共有を意図してのことであり、 断じて薬物製造、乱用を含む如何なる犯罪もこれを奨励するものではありません
本ブログから得られた知識により読者が如何なる被害を被ろうとも、当方は一切の責任を負いません。
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オリエンタルポピーに含まれる麻薬=テバイン
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本記事は飽くまで読者の知的好奇心を充足させることを意図したものであり、違法薬物の製造、乱用を奨励するものではありません。

オリエンタルポピーの乳液や抽出したテバインを摂取した場合、致死的な健康被害を被る可能性があります。

植物から麻薬であるテバインを抽出することは、麻薬及び向精神薬取締法の第20条(製造の禁止)及び第28条(所持の禁止)に抵触すると思われます。製造に関しては1年以上10年以下の懲役、所持に関しては7年以下の懲役に処される可能性があります。
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テバイン(thebaine)という物質をご存知だろうか?
テバインはいわゆるケシに含まれるモルフィンアルカロドの一つでモルヒネに類似した構造を持つ。この物質自体はモルヒネ様の作用はもたず、毒薬で有名なストリキニーネに類似した興奮、痙攣などの作用をもつ。摂取して気持ちよいものではないようだが、このテバインからは比較的容易にモルヒネ様の薬理活性をもつ物質を合成できる。おそらくこのために、テバインは麻薬及び向精神薬取締法により麻薬に指定されている。
テバインを多く含む植物にはケシ科ケシ属のケシ(Papaver somniferum)とハカマオニゲシ(Papaver bracteatum)があるが、前者はご存知のようにあへん法により「ケシ」として栽培が規制され、後者はモルヒネを含まないもののテバインを含むために麻薬及び向精神薬取締法により麻薬原料植物として栽培が規制されている。
ところが、含有量は少ないものの、テバインを含んでおり、かつ規制されておあらず、普通に花屋やホームセンターで売られている植物がある。ケシ、ハカマオニゲシと同じケシ科ケシ属に属するオリエンタルポピー(Papaver orientale)である。含有量は時期により大きく異なるようだが、成熟期ではケシ坊主から取れる乳液には0.3%程度のテバインが含まれるようである。他にオリエンタルポピーにはイソテバイン(isothebaine)などが含まれる。

thebaine-b.gifmorphine-b.gif

Reference:
"OXY" Otto Snow,Thoth Press
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| 薬草 | 00:25 | トラックバック:0コメント:0
α-ツヨン含有植物
α-ツヨン(α-thujone) 含有植物

Salvia officinalis L.    (シソ科サルビア属ヤクヨウサルビア、セージ)      葉200 - 10,172 ppm
Artemisia salsoloides WILLD.(キク科ヨモギ属)                    芽9,500 ppm
Artemisia absinthium L.   (キク科ヨモギ属ニガヨモギ、ワームウッド、アブサン)   葉1,750 ppm
Artemisia herba-alba ASSO. (キク科ヨモギ属ホワイトマグワート、デザートワームウッド)全草580 - 773 ppm
Cistus ladaniferus L.    (ハンニチバナ科ゴジアオイ属システ、ロックローズ)    葉8 - 560 ppm
Rosmarinus officinalis L.  (シソ科マンネンロウ属マンネンロウ、ローズマリー)    全草84 - 399 ppm
Satureja montana L.     (シソ科サツレヤ属ヤマキダチハッカ、ウィンターサボリー) 全草10 - 385 ppm
Micromeria croatica (Pers.) Schott.(シソ科ミクロメリア属エンペラーズミント)     葉45 ppm
Micromeria juliana (L.) Bentham. (シソ科ミクロメリア属エンペラーズミント)     葉40 ppm

Reference:
Dr. Duke's Phytochemical and Ethnobotanical Databases
| 薬草 | 23:06 | トラックバック:0コメント:0
L-DOPA含有植物
L-DOPA(ドーパミン前駆体、パーキンソン病薬)含有植物

Mucuna pruriens (L.) DC.  (ムクナ、ハッショウマメ)         種子(2,400 - 48,000ppm)
Musa x paradisiaca L.  (バショウ科バショウ属フイリバナナ)     実
Portulaca oleracea L.   (スベリヒユ科スベリヒユ属 スベリヒユ) 全草
Vicia faba L.      (マメ科ソラマメ属ソラマメ)        葉

Reference:
Dr. Duke's Phytochemical and Ethnobotanical Databases
| 薬草 | 03:45 | トラックバック:0コメント:0
覚せい剤を合成する木 ~ブラックブラッシュ~
いわゆる覚せい剤のメタンフェタミンは、1893年に薬学者・長井長義(エフェドリン・ナガヰの)によってマオウに含まれるアルカロイド-エフェドリンから合成された。
なんと、このメタンフェタミンを自力で合成する植物が存在する。
アメリカ・テキサス州やメキシコに自生するネムノキ科アカシア属の低木、ブラックブラッシュ(学名Acacia rigidula Benth.)である。
ブラックブラッシュは、メタノール抽出物に対して数ppm程度と僅かであるがメタンフェタミンを含む。
他にも、アンフェタミン(数ppm)、メスカリン(数ppm~数十ppm)、DMT(数百ppm)、ニコチン(数十ppm)、ドーパミン(数ppm~数十ppm)等を含み、さながらドラッグのデパートといった感じである。
(ドーパミンは血液脳関門を通れないので普通に摂取しても中枢神経には作用しないが。。。)

参考のため、ブラックブラッシュの主な含有物質(メタノール抽出物)を以下に示しておく。

--------------------------------------------------------
    成分       含有量(ppm)早期/晩期
--------------------------------------------------------
N-Methylphenethylamine    2314.6 5264.8
Tyramine                459.1 1237.6
N-Methyltyramine          237.4 1237.6
Phenethylamine           872.3 1135.7
Pipecolamide             872.8 978.2
N,N-Dimethylphenethylamine 123.6 724.5
N,N-Dimethyltryptamine     323.8 568.4
3-Methyl-2-pyridinamine     341.5 567.3

Amphetamine              6.7 11.8
Methamphetamine           - 12.4
Mescaline                 3.4 27.5
N,N-Dimethyltryptamine(DMT) 323.8 568.4
Nicotine                  45.8 152.4
Dopamine                  0.5 8.2
--------------------------------------------------------

参考文献:
BA Clement, CM Goff, TDA Forbes, Phytochemistry Vol.49, No 5, pp1377-1380 (1998)
"Toxic amines and alkaloids from Acacia rigidula"
| 薬草 | 19:36 | トラックバック:0コメント:0
セージ(Salvia officinalis L.)の精油の毒性と抗酸化作用
"Evaluation of toxic/protective effects of the essential oil of Salvia officinalis on freshly isolated rat hepatocytes"
Toxicology in Vitro 18 (2004) 457–465

「ラットの新鮮分離肝細胞に対するセージの精油の毒性と保護作用の評価」

2004年の論文。
抗酸化作用があると言われるセージ(ヤクヨウサルビア/Salvia officinalis L.)の精油の成分分析と、肝細胞に対する毒性/抗酸化作用の評価を行っています。精油の成分分析は、セージから直接、水蒸気蒸留によって分離した精油の他、セージ茶からペンタンを用いて分離した精油に対しても行っています。
結果は次の通り。

成分:
化合物名 精油中含有率(乾燥セージ1g中含有量)セージ茶1ml中含有量
cis(α)-thujone 17.4%(2491.4μg/g) 1.678μg/ml
α-humulene 13.3%(1305.7μg/g) 0.022μg/ml
1,80cineole 12.7%(1703.9μg/g) 0.884μg/ml
E-caryophyllene 8.5%(836.9μg/g) 0.014μg/ml
borneol 8.3%(1109.5μg/g) 0.697μg/ml
Viridiflorol 6.2%(834.0μg/g) 0.019μg/ml
α-pinene 4.1%(399.1μg/g) 0.005μg/ml
β-pinene 4.5%(437.0μg/g) 0.007μg/ml
trans(β)-thojone3.9%(518.5μg/g) 0.268μg/ml
camphor 3.3%(445.4μg/g) 0.517μg/ml
etc..

毒性:
ラット肝細胞の懸濁液(1mlあたり1*10^6個)に精油(濃度2nl/ml,20nl/ml,200nl/ml,2000nl/ml)を混入させ30分後の細胞の状態を評価(濃度は懸濁液1mlあたりの精油の量)

濃度≦200nl/ml →損傷確認できず
濃度 2000nl/ml →損傷確認(LDH漏出、GSH減少)

抗酸化作用:
ラット肝細胞の懸濁液(1mlあたり1*10^6個)に精油(濃度2nl/ml,20nl/ml,200nl/ml,2000nl/ml)と酸化剤(t-BHP 0.75mM)を混入させ30分後の細胞の状態を評価(濃度は懸濁液1mlあたりの精油の量)
(濃度は懸濁液1mlあたりの精油の量)

濃度≦2000nl/ml(2,20,200,2000) →抗酸化作用は確認できず

結論:
・セージの肝臓保護作用は精油によるものではなさそうである。
・(濃度)200nl/ml以上の精油を摂取した場合、肝臓に直接作用して毒性をもたらす可能性がある
・セージの精油には肝毒性があり、また、主成分であるthujoneやcamphorには神経毒があるため、セージ製品の大量摂取が懸念される。


以下、要旨の拙訳です。

要旨
空気乾燥させたセージ(Salvia officinalis L.)の地上部から、水蒸気蒸留によって精油を分離し、ガスクロマトグラフとガスクロマトグラフ質量分析により分析を行った。乾燥した状態での質量1gあたり、総収量12.07gの精油が得られ、50以上の化合物が同定された。主な化合物はcis-thujone (17.4%), a-humulene (13.3%), 1,8-cineole (12.7%),E-caryophyllene (8.5%) ,borneol (8.3%)であった。また、セージ茶からペンタン分配により精油画分を分離し、各化合物を同定した。セージの精油の毒性と抗酸化保護作用を、取り出したばかりの肝細胞に対して評価した。細胞生存率、脂質過酸化、グルタチオンの状態を、30分間、精油のみに曝した細胞(1mlあたり1*10^6個の細胞懸濁液。t-BHPをポジティブコントロールとして精油の毒性を評価)と、精油と酸化剤(t-BHP)に曝した細胞(quercetinをポジティブコントロールとして精油の保護作用を評価)に対して測定した。その結果、精油は200nl/ml以下の濃度では毒性はなく、2000nl/mlにおいてのみ、細胞の損傷を示す有意なLDHの漏出とGSHの減少が見られた。精油は試験を行った範囲の濃度では、t-BHPによる毒性に対する保護作用を示さなかった。
| 薬草 | 19:29 | トラックバック:0コメント:0
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