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アングラサイエンス系ニュース、記事、論文の紹介

Mad_Press

本ブログはアングラサイエンスをテーマに、日本のマスコミではなかなか報じられない薬物関連を主とした最新の研究成果やニュース、その他geekな記事等を紹介しています。これは飽くまで読者の知的好奇心の充足や、公共の利益となる知識の共有を意図してのことであり、 断じて薬物製造、乱用を含む如何なる犯罪もこれを奨励するものではありません
本ブログから得られた知識により読者が如何なる被害を被ろうとも、当方は一切の責任を負いません。
大麻の害は大人よりも子供のマウスで大きい
若年者の飲酒、喫煙は多くの国で禁止されている。
これは、アルコール、タバコが身体に与える害が
成人の場合よりも若年者で大きいことが理由のひとつだ。
去年6月に報告された、豪シドニー大の研究者らによる研究によれば、
大麻についても同じことが言えそうだ。

豪シドニー大のクイン教授らのグループは大麻の主要薬理成分であるTHCが
子供のマウスと大人のマウスに与える影響の違いを調べるため、
子供のマウス(生後28日)と大人のマウス(生後60日)にTHCを繰り返し与えた。
10~15日の断薬期間後、大人のマウス、子供のマウス両方で社会的行動の
減少が見られたが、子供のマウスのみで物体認識における記憶力の低下が
見られた。マウスの脳を取り出し、海馬のプロテオーム解析を行ったところ、
THCを与えなかったマウスと比較して、大人のマウスでは10種のタンパク質でしか
発現量の違いが見られなかったのに対して、子供のマウスでは27種のタンパク質で
発現量の違いが見られたという。
この結果は、大人のマウスと比較して、子供のマウスではTHCの繰り返し摂取による
記憶力の低下や海馬の変異が大きいことを示唆している。

大麻はアルコールやタバコよりも依存性が弱く、身体に与える害が
少ないと言われており、一部で合法化を求める声があるが、合法化するとしても
アルコール、タバコのように年齢制限する必要があるかもしれない。

Reference:
"Adolescent Rats Find Repeated 9-THC Less Aversive Than Adult Rats but Display Greater
Residual Cognitive Deficits and Changes in Hippocampal Protein Expression Following Exposure
"
Neuropsychopharmacology (2008) 33, 1113–1126,published online 20 June 2007
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| ドラッグ | 23:38 | トラックバック:0コメント:8
核爆発被害シミュレータver2.0
核爆発被害シミュレータver2.0

2年前に作成した初代核爆発シミュレータはグラフィックの描画にxmapsライブラリを用いていたのだが、このライブラリはGoogle Maps APIのバージョンアップに伴い使用できなくなっていた。そこでTLabelと標準関数を用いて作り直した。

ついでに以下の機能を追加した。
・任意の爆発高度の設定
・地表、地下爆発時に形成されるクレーターのサイズの計算
・東京御茶ノ水駅付近を爆心地とした場合の被害人口の計算(ただしかなりアバウト)

被害規模の計算はThe effects of nuclear weaponsに記載されているデータを基に行っている。
| 未分類 | 15:56 | トラックバック:0コメント:0
リモートコントロールされるサイボーグ虫
敵地の偵察のため蛾を飛ばす、そんな時代がくるかも知れない。
米国防高等研究計画局=DARPAは現在、昆虫をコントロールする研究に資金提供を行っている。
その資金提供先の一つであるコーネル大学のBozkurt教授らの研究チームは、蛾に電極を取り付け
羽の動きをコントロールすることに成功した。(Ref.1,2)

研究者らは、筋肉に信号を送るための電極、マイコン、電池を備えたわずか500mgのモジュールを
製作した。そしてこれを蛾の蛹に差込み、電極が羽を動かす筋肉となる部分と接触するようにした。
成虫の蛾にモジュールを差し込んだ場合、組織を破壊してしまうが、蛹の段階で差し込むことにより、成虫になるまでに組織が再形成され、各器官の働きを失うことなくモジュールと組織を一体化でき、十分な電気的・機械的結合が得られるという。
この技術は早期変態挿入技術=Early Metamorphosis Insertion Technology (EMIT)と呼ばれる。

このようにしてつくられた成虫の'サイボーグ蛾'に、電極を介して羽の筋肉にパルスを与えることで、
羽を動かすことができた。左右の羽の筋肉に別々にパルスを与えることで左右独立した動きをさせることができ、また、パルスの周波数を変えることで、羽ばたきの速さも変えることができたという。

ここでその映像を見ることができる。映像では蛾が電線につながれた状態で実験をしており、無線で飛行をコントロールする映像は入っていない。また論文(Ref.1)においても無線飛行を実現したとは述べられていないが、すでに実現しているか、そうでないにしても近いうちに実現すると見られる。

他にも、同じくDARPAから資金提供を受けているカリフォルニア大学の佐藤教授らの研究チームは、EMITにより電極を埋め込んだカブトムシの飛行制御に成功している。(Ref.2,3)

この技術は軍事利用だけでなく、災害時の捜索活動における利用等、平和利用も大いに期待できる。
しかし、以前リモートコントロールされるネズミの映像を見たときもそうだったが、
自分の意思と関係なくコントロールされる動物をみると非常に悲しい気持ちになる。

References
1. A.Bozkurt,et al.,"MEMS based Bioelectronic Neuromuscular Interfaces for Insect Cyborg Flight Control"
21st IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS 2008), Tucson, AZ, January 2008, pp. 160-163


2. Jessica Marshall,"The cyborg animal spies hatching in the lab",New Scientist,06 March 2008.

3. H.Sato,et al.,"A cyborg beetle: Insect flight control through an implantable, tetherless microsystem"
21st IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS 2008), Tucson, AZ, January 2008, pp. 164-167

テーマ:サイエンス・ニュース - ジャンル:ニュース

| その他 | 02:38 | トラックバック:0コメント:0
開錠競技
Locksport International
http://locksport.com/home/index.php

昔、学生の間でダイヤル式の鍵を開けるのが流行ったそうです。

(Via digg)
| 未分類 | 22:19 | トラックバック:0コメント:0
MDMAがドーパミン産出細胞を増強
"Ecstasy as a brain booster for Parkinson's?"(newscientist.com)

MDMAは人体において、記憶に関わるセロトニン系神経細胞に損傷を与えるという報告があるが、このほど、ドーパミン系神経細胞に対しては増強する作用があるという報告がなされた。

シンシナティ大学のJack Liptonらは、妊娠したラットに対してMDMAを投与する実験を行った。
その結果、生まれた子供のドーパミン産出細胞の数は通常の3倍で、これらの細胞は通常より多く分岐、発達していたという。これはこの神経細胞がより良好に機能することを示す。
また、培養した未発達の神経細胞をMDMAにさらしたところ、生存する細胞の数が約3倍になったという。
Liptonは、細胞がストレスにさらされた時に起こるプログラムされた細胞死を、MDMAが防ぐと考えている。

将来、MDMAに類似した薬がパーキンソン病薬として、ドーパミン産出細胞の増強に用いられるようになるかもしれないとLipton話す。
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